次の日銀総裁に選ばれた植田和男氏のことが話題になっているね。
でも「植田和男ってだれ?」
「そもそも日銀総裁って何してるの?」
「誰が日銀総裁になっても、わたしたちには関係ないよね」
なんて思ってはないかい!?
いやいや、日銀総裁の方針次第でわたしたちの暮らしはめっちゃ左右されるんだよ。
住宅ローンの金利とかにも影響してくるしね。
この記事では、日銀総裁の役割は何なのか、植田和男氏がどんな考えを持っていて、どのような政策を取ろうとしているのかをわかりやすく解説するよ!
ニュースの理解も深まり、今後の経済情勢に対してより的確な判断をすることができるようになるから必ず最後まで読んでね!
「日銀総裁」って何?
それでは、植田和男氏が何者なのかを知る前に、そもそも「日銀総裁」って何なのってところから学んでいこう。
日銀総裁の役割
日銀は、略さずにいうと日本銀行。
銀行の銀行と呼ばれ、紙幣の発行をしているところだね。
ほかにも金融政策という重要な仕事をしていて、そこのトップが日銀総裁なんだよ。
金融政策といっても、なんだか漠然としていてよくわからないよね。
金融政策とは、物価や経済の安定を目指して、金利や市場に出るお金の量などを調整することだよ。
日銀総裁は、副総裁2人と審議委員6人とともに金融政策決定会合を開いて、金融政策を決めているんだ。
金融政策決定会合は年8回、いずれも2日間の日程で開かれているよ。
でも、ここだけの話し、過去に総裁が提案する政策が否決されたことはないらしいよ。
思っていた以上に総裁の権力は大きそうだね。
ほかにも、会見や講演などで日銀の考え方や見通しを市場に伝えることも日銀総裁の重要な役割だ。
日銀総裁の発言は、市場に大きく影響するので、失言が多い人、余計なひと言を言う人は選ばれないらしい。
当然だよね(笑)
日銀総裁の就任までの流れ
ところで、日銀総裁がどんな感じで決まっているのか知ってる?
まず、政府が誰が適任か人選して、国会の承認を受け、内閣総理大臣が任命するという流れなんだ。
「じゃあ、総理大臣が変わって新しい政府ができたら、日銀総裁も交代させられるの?」
いや、そんなことはないよ。
一旦就任すると、任期の5年間は原則として解任されないんだ。
政治に干渉されることなく、ひたすら国民のために金融政策を考え、それを実行していくことができるように、強い身分が保証された仕組みになっているんだ。
日銀総裁の歴史
日銀総裁は、1969年以降、大蔵省(現在の財務省)出身者と日銀出身者が交互に選ばれるという、いわゆる「たすき掛け人事」と呼ばれる慣行が続いていたんだよ。
この慣行の意味は、日銀と大蔵省のバランスを保ち、金融政策の多様性や柔軟性を確保するためだと考えられていたんだ。
でも、大蔵省の汚職事件が世間をにぎわせ、日銀の独立性をより強くしなければならないという機運が高まり、その機運にのっかるかたちで 1998年に新日銀法が施行されたんだ。
そして、3代連続で日銀出身者が日銀総裁に就任して、今後もずっと日銀出身者が日銀総裁になるのかなーという流れだったんだ。
ところが、2013年、なんと財務省出身の黒田東彦氏が総裁に就任したんだよ!
これは安倍晋三元首相が推進した大規模な金融緩和政策に賛成する人物をってことで選んだんだ。
日銀の独立性どこいったー(笑)
黒田総裁は、2期10年間総裁を務めて、そして今回も政府はアベノミクスを引き継ぐ経済学者の植田和男氏を候補に選んだんだよ。
流石に、財務省からは気が引けて選べなかったのかな?
もしくは、難題山積みの日銀総裁の座を、今こそ自分が引き受けたいという猛者が財務省にはいなかったのか…
いずれにしろ、日銀出身者である雨宮正佳氏が次期総裁になるというシナリオは崩れて、日本で初めて学者が日銀総裁に就任するということになったんだ。
現在直面している日銀総裁の課題
「日銀総裁の役割」のところで学んだように、日銀総裁は、日本経済の安定と成長を支えるために、適切な金融政策を実施することが求めらているよね。
でも、今の日本経済は、人口減少という構造的な問題を抱えていて、デフレや低成長の真っただ中。
さらにはコロナ蔓延による経済活動の縮小などという予期せぬ問題も発生してしまった。
一方、物価は急激な上昇の兆しをみせているが、黒田総裁時代の異次元緩和と呼ばれる非常事態の手段の副作用のため、伝統的な金融政策の手段もとりずらい非常に難しい局面に入っているんだ。
さてさて、どうしたものか。
ちなみに現在もやっている異次元緩和は、長期金利をゼロ%近くに抑えるイールドカーブコントロールをやったり、国債や株式などを大量に買い入れてお金を大量に市場に放出させたり、過去にも他の国にも例をみないほどの大規模な金融緩和政策なんだ。
こんな非常手段をとったにもかかわらず、景気は依然として回復してないよね。
物価や経済を安定させたい。
でも、必殺技は出し尽くしたので、次の一手の打ちようがない。
日銀は、今、そういう苦しい状況にあるんだよ。
そこで、新日銀総裁の課題は、異次元緩和の効果と副作用を正しく評価し、物価目標と金融政策の関係を見直し、金融政策の柔軟化・正常化(出口戦略)への準備を進めることだと考えられているんだ。
また、これらの課題に対処するために政府や財務省と協力しつつも、日銀の自立性と中立性を保ち、市場や国民に対する説明責任を果たすことも重要だよね。
どうだい?「日銀総裁」とは何なのか、なんとなくわかってきたかな?
「植田和男」ってどんな人?
それでは、「日銀総裁」とは何なのかわかったところで、黒田東彦氏の後任として4月8日に日銀総裁に就任する植田和男氏ってどんな人なのか詳しくみていこう。
植田和男氏の経歴と業績
植田和男氏は、経済学者で専門はマクロ経済学と金融論だ。
東京大学名誉教授や共立女子大学教授を務めたほか、日銀の政策委員会審議委員ももちろんやっている。
海外での留学経験もあって、海外の中央銀行幹部との繋がりもあるといわれているんだ。
業績としては、マクロ経済学や金融論に関する多くの論文や書籍を発表している。
また、日銀政策委員会では、黒田総裁に対して度々反対意見を言ったりもしたんだよ。
例えば、2016年に日銀が導入したマイナス金利政策については、「効果が不確実でリスクが大きい」と批判したんだって。
植田和男氏が考える金融政策とは?
2月24日、衆院議員運営委員会で植田和男氏が自分の考えを述べる場があり、何を語るのか、非常に注目されたんだ。
ここで植田和男氏は、異次元緩和の副作用については「否定できない」としながらも「現在の金融政策を継続することが重要だ」と発言。
今の金融緩和政策を当面続けていく姿勢をはっきりと示したよ。
また、金融緩和の縮小のタイミングについては、「2%の物価目標が持続的・安定的に達成された場合には、その時点で考えるべきだ」と述べ、達成するまでには時間がかかると考えていることを明らかにしたんだ。
そのほか、金利を抑える重要な政策ツールである長短金利操作(イールドカーブコントロール)については「様々な副作用を生じさせている面は否定できない」という発言があったよ。
金融緩和政策の修正は、イールドカーブコントロールをやめることから始まりそうだね。
総じていうと、物価安定の達成を目指して、金融緩和の出口戦略に取り組むといったところかな。
植田和男氏が提唱する賃上げ政策とは?
植田氏の賃上げ政策は「企業が賃上げできるような経済環境を整えるまで金融緩和を継続して経済を支える」というものだ。
そして、賃上げが消費者の所得と支出を増やし、物価上昇につながると考えているんだ。
植田氏はまた、日銀が企業の資金調達コストを低く抑えることで、投資や雇用拡大にも貢献すると主張しているよ。
物価の上昇は、その兆しをみせ始めているので、賃上げの実現が急務になってきたね。
最近では岸田総理もあっちこっちで「賃上げ!賃上げ!」って叫んでいるもんね(笑)
賃金は上がらずに物価だけが上がり続けるスタグフレーションは、勘弁願いたいぞ!
植田和男氏が著書で語る「大学4年間の金融学が10時間でざっと学べる」の内容
この本では、主に金融市場、金融商品、企業金融、投資、リスク管理、金融政策などのテーマについて書かれていて、これらの分野に関する基本的な概念や理論、計算方法、実践的な事例が説明されているんだ。
例えば、金融市場については、証券市場の種類や役割、取引の仕組み、株式や債券の評価方法などが説明されている。
また、企業金融については、企業の財務分析や資金調達の方法、投資プロジェクトの評価方法などが解説されている。
さらに、投資やリスク管理についても、ポートフォリオ理論や投資信託、リスクヘッジなどの基本的な概念や実践的な方法が紹介されている。
最後に、金融政策については、中央銀行の役割や金融政策の種類、インフレーションや景気循環などが説明されている。
ほんと「大学4年間の金融学が・・・」と本のタイトルにあるとおり、内容が盛りだくさん!
基本的な概念から応用的な内容まで幅広く扱っているので、この本1冊読めば、金融学に関する知識を総合的に身につけることができそうだ。
大学生だけでなく、金融に興味のある人やビジネスパーソンにも役立ちそうだね。
でも、これだけのものが「10時間でざっと学べる」のかね。ほんとに(笑)
kindleアンリミテッドの会員なら無料で読めるよ。
まとめ
日本の中央銀行、日本銀行のトップである「日銀総裁」については、その役割や歴史、現在直面している課題について説明したよね。
日銀総裁は、日本の金融政策のトップとして、金利や市場に流通するお金の量を調整し、物価や経済を安定させていく責任があるんだ。
たいへんだと思うけど、たのみますよ!(笑)
現在、日銀総裁が直面している課題の1つは、長期的なデフレーションの問題だ。
日本の経済は、長期的なデフレーションによって、消費や投資が抑制され、景気の回復が遅れている。
そのため、日銀総裁は、金融政策の調整によって、どうにか景気を回復させようと頑張っているんだ。
今回、日銀総裁に就任することが決まった植田和男氏は、日本の金融政策や経済に関する研究を行っていて、その研究成果や提言によって、多く人の信頼を得ている人物だ。
彼は、国際的な金融政策や経済の状況を考慮しながら、適切な金融政策を取ることが重要だと考えている。
また、消費や投資を促進するための政策を提唱していて、その中でも、賃上げ政策が注目されているね。
賃上げによって、消費が促進され、経済が回復するという筋書きだね。
国や日銀もしんどいけど、企業もしんどい。労働者もしんどい。
日本全国みんなしんどい。
オールジャパン、みんなで踏ん張って、なんとかこの難局を乗り切っていこう!
FAQ
最後によくある疑問をあげておくよ。
この記事を最後までよく読んだあなたなら、すべて答えられるはず!
Q1: 日銀総裁の主な役割は何ですか?
A1: 日銀総裁は、日本銀行の最高責任者であり、国内外の経済情勢や金融政策について分析し、国内経済の安定や物価安定を図るために金融政策を決定・実施することが主な役割です。
Q2: 植田和男氏は、どのような金融政策を提唱していますか?
A2: 植田和男氏は、インフレターゲット政策に代わる、日銀が自主的に物価目標を定め、それを市場に示す「フリープライス・レベル・ターゲティング(FPLT)」を提唱しています。
また、賃上げ政策を通じて消費を刺激し、経済成長を促すことも主張しています。
Q3: 植田和男氏の著書の「大学4年間の金融学が10時間でざっと学べる」はどのような内容の本ですか?
A3: この本は、金融工学やデリバティブ取引などの専門用語を用いずに、一般的な言葉で金融の基本的な仕組みやその応用的な考え方、実践の方法を幅広く説明した内容となっています。
また、植田氏独自の金融や経済についての考え方やアイデアが紹介されています。
もっと知りたいことや感想があったらコメントしてね。
最後まで読んでくれてありがとう!